アンダルシアの犬

サルバドール・ダリの展覧会に行った。
ダリは89年まで存命だったし、亡くなった時のニュースも憶えている。
ダリの83年頃の作品を観て、当時登場してきたキース・ヘリングやバスキアとかの事をダリはどう思っていたのだろうか、また反対にヘリングやバスキアはダリの事をどう思っていたのだろうか、と考えた。
ダリをジェームス・ブラウンに例えたらヘリングやバスキアはアフリカ・バンバータとパブリック・エナミーみたいな感じで、JBをリスペクトする感じでダリをリスペクトしていたのだろうか。

別の場所で開催されているダリの版画展にも行ってみると、
個人的にとても興味をそそるものを見つけた。
それはダリが自分や他の画家に対して点数をつける表というもの。
ダントツに高得点はラファエロで技術は20点、創造でも20点、
他もほとんど20点で圧倒的な点数。
次点はダヴィンチでこれも各項目に置いて高得点。
ダリがラファエロやダヴィンチを尊敬していたのは頷ける。
ダリと同時代の人で高得点だったのがピカソで、ダリが自分でつけた自身の点数よりも遥かに高得点。ダリはルーブルへ行く前にピカソの家をまず訪れたという話もあるので同世代の中でピカソを特別視していたのだろう。

で、この採点表の中でダントツに評価が低かったのは誰だと思いますか?

それはなんとモンドリアンで、この採点が凄くて技術や創造性や何から何までほとんど0点をつけている。項目によって3項目ほど3分の1点と4分の1点とか、とても微妙な点数をつけていて静寂な会場で思わず吹き出しそうになり困った。
同じ時代に活動していたモンドリアンに対してはあの野郎みたいな、感じがあったのかもしれない。 思うに、ダリやピカソは古典を描いてもうまかった。天性の才能と努力、そして掘り下げ勉強していく姿勢。 そういう人から見たら突飛な事をやるデラシネの一発屋みたいに思えたのかもしれない、想像だけど。
アーティストとしてぶっ飛んでいる人は意外にとても古いところを徹底的に勉強していたりする。そして保守的な面を持つ人が意外と多い。

モンドリアンなんかはいきなりコンポジションとかデタラメに描いた人ではないのを知っているけれど、音楽の世界は胡散臭いのもいて、例えばインプロビゼーションというのは自身の取り組んでいる楽器での高い演奏技術と音楽スキルを持っていないと本当は出来ないものだけれど、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーなどをコピーした事もなかったり、メシアンのオルガンを知らなくても持ち上げられている人もいます。

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