姥捨山

子供の頃に姥捨山の話を読んで何とも悲しくて切ない話だなぁと感じたものだ。
今は年老いた親を山に捨てに行かなくても何とか食える時代だし、もし切羽詰まってしまい山に捨てに行ったとしても本人は戻ってきてしまうだろう。足腰も強かったりして下山してきてしまう。昔と比べ物にならないくらい年寄りは元気が良い。人生100年時代とか言われている。

今日は駅のエレベーター内で不思議な現場に出会った。
60代〜80代くらいの人達の中で起こった事。
閉まりかけていたエレベーターを無理やり開けて初老の男が乗り込んできた。
乗り込んできてササーっと開く側の扉の前に進んで俺の前に立ち、我先に降りようとしている。
ドアの「閉」ボタンも押さずに自分の気配を消している。
この男の仕草と見た目がゴキ◯リを思わせた。 

ゆっくりとエレベーターが下降し始める。
するとカゴ内に突然「あなた人の肩に物を載せるなんて失礼でしょう!」と声が響き渡った。
何だ何だ? 振り返ると初老のサラリーマンが目の前の初老の女への一喝だった。
その女は「何言ってるんですか!載せてません!」すると別の高齢女性が「いや、あなたは電車の中でもこの方の肩に自分の荷物を載せていましたよ!」とサラリーマンを援護。
容疑者の女は「載せてない!失礼な事言わないで!」とキレている。
すると被害者のお婆さんがついに「ずっと私の肩にあなたは自分の荷物を載せていましたよ!」と口を開いた。狭いカゴ内で起こるそのやり取りに俺は気を取られていたが、
ふと見るとゴキ◯リ男は一切無関心でさっさとカゴから降りて姿を消していた。

タイトルとURLをコピーしました